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スーパーコンピューターを活用した自動車の空気力学シミュレーション

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スーパーコンピューターを活用した自動車の空気力学シミュレーション

北海道大学大学院と理研計算科学研究機構 では、自動車のまわりの空気の流れをシミュレーションする空力シミュレーションの研究をしています。自動車が走行する際に自動車に作用する空気の力を調べることは,燃費や走行安定性・安全性の向上に不可欠で、中でも一番重要な空気抵抗をスーパーコンピュータ「京」を使うことで、風洞実験に匹敵する高い精度でシミュレーションすることが可能となりました。

"今まではシミュレーションというのは、風洞の代わりという事だったんですが、なかなか風洞の性能はでてこない。という事で、最後は必ず風洞で実験するけれども前段階でシミュレーションしていた。それに対して風洞実験をそのままシミュレーションに置き換えるようなそういうシミュレーションが「京」でできるようになります。これができるようになると設計の非常に最初の方の段階で、まだ設計図しかない段階で、これから作る車の空気的な性能がわかるようになります。"

これまで自動車産業界で行なわれてきた流体シミュレーションでは、自動車のまわりにおよそ数千万から1億要素の微細なセルを作ります。これに対し「京」を用いたシミュレーションではその数およそ数十億から200億。従来に比べて、数十倍以上の高解像度を実現しています。 さらに自動車シミュレーションをする際にはセルを用いた計算モデルの作成時間が大きな課題で,数十億から数百億のセルの作成は事実上不可能でしたが、「京」を使った超大規模解析では,既存の手法に対してセルの作り方と形を工夫することで,数千万から1億要素のセルから自動的に作成することが可能となりました。 こうした新たな解析方法により、これまでシミュレーションの結果が風洞実験に対して5%程度の誤差を持っていたのが、「京」を使う事によって2%ほどの精度で空気抵抗を予測できるようになりました。 こういった高精度な空気抵抗の予測は,更に燃費の良い車を開発するための大きな助けとなります.

"風洞実験というのはあくまで車を止めて一様な風を当てて力を測りますが、実際の車というのは外走っている時は突風も吹いて来ますし、ドライバーが運転します。そういう時にかかってくる力は風洞の中ではわからなかったんです。それが「京」を使うとわかるようになる。いわゆる風洞ではできない実験というのが新しい実験、つまりコンピュータを使った実験というのが「京」で可能になります。"

空力シミュレーションの研究の一部は国内の自動車会社と関連会社13社、そして4つの研究機関が集まったコンソーシアムで進められています。今後は、国内産業のニーズを参考にした上で研究を進め、技術の自動車産業界への移転を目指しています。

"例えば衝突とかエンジン、他にも色々なシミュレーションがあります。それぞれの自動車を作る設計のプロセスの中で色々なシミュレーションがされているんですが、それを全部統合して、ひとつのシミュレーションの体系にする。これが次と言うか僕の将来的な夢ですが、そういうことができるようになると本当に良い車というのができるようになると思います。自動車というのは基本的に設計開発はセクション主義でやりますが、空力は空力、衝突は衝突でやりますが、シミュレーションという言葉をひとつにして、それぞれのプロセスを融合していける。そういう可能性があると思っています。"

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